遥か遠くに確かにある自分(魂)を思い出させてくれるアイリッシュハープ
未来に希望が持てるように
-頭で考えるのではなく、魂が求めていたのですね。
みつゆきさん:
アイリッシュハープを弾いて本来の自分に戻ることで、かたく閉ざしていた心がオープンになり、音楽でコミュニケーションがとれるようになり、本音で話ができるようになったのですよ。
いつの間にか、人とも深いところで繋がれるようになりました。
音楽を通じて繋がり、出会いが喜びに変わり、同時に僕も変わっていったのです。
アイリッシュハープに出合い、人とコミュニケーションが取れるようになってから人と関わることの喜びを感じ、未来に希望が持てるようになりました。
すると、演奏依頼が来まして。
あるとき、仕事を辞めて個人でアイリッシュハープの教室を開くことを決めました。
-ガチガチに緊張していた心がゆるみ、新しい本当の自分で生きる道が見えてきたのですね!教室を始めてからは順調に進みましたか?
みつゆきさん:
いえいえ。駆け出しの頃は全然収入がありませんから、家賃をどうしよう、食べるものはどうしよう、と。
お金がないから、川原で野草を採ってきて食べていた時期もありますし。西洋タンポポはサラダ菜として食べられていて、何度か水に晒したら食べられるんですよ(笑)。
そんな体験をしたことも、今では貴重な思い出になっています。
-それはまた、大変な経験をされたのですね!
みつゆきさん:
本当に、その時は必死でしたね。
いよいよ家賃が払えなくなる、どうしよう、となったとき神社に行ってお百度参りをしたんです。夜中じゅう、ひたすら歩き続け、祈り続けました。
その後です、今のビジネスパートナーと出会ったのは。
そうして、やっと生活の心配をせずにアイリッシュハープだけに専念できる環境に身を置くことができるようになりました。
追い込まれて必死に、無心になって祈ると叶うんですね、こうだったらいいな、ではなく。昔の人はこうやっていたのかなと、体感でわかるようになりました。
アイリッシュハープで自分と繋がる
アイリッシュハープだけに専念することは、僕にとってすごく大きいことでした。
教えることでこちらも教わるから、もっともっとハープを深く研究できるようになりました。
-研究することで、何か発見などはありましたか?
みつゆきさん:
楽器を弾いているだけではなく、
アイリッシュハープの振動を自分の体に伝えて自分の体をととのえる。
自分の体を赤ちゃんのときの体に戻すことで、深いところで自分と繋がることができます。
僕は、物心がついたころに大きなショックを受けて委縮してしまいました。
それからずっと、どうすれば自分を癒すことができるのかを研究し、アイリッシュハープにたどり着いたのです。
体内記憶、そして縄文に繋がる
みつゆきさん:
もともと楽器は、自分の体をととのえることが目的で生まれたそうです。
あるとき、そのことが理解できたのです。
というのも、僕は対人恐怖症だったから人と話すこともできず、常に緊張していましたので、温泉に行ってリラックスするなどしましたが、そのときはゆるんでも、帰ってくるとまた緊張状態に戻るんです。
何かで癒されてもすぐ元に戻ってしまう――いわゆる揺り戻し状態に苦しみまして。
それで、あるとき、あぁ、赤ちゃんまで戻らないと本当の意味で癒されないのではないか、と思うようになりました。
何かで自分を癒しても、根本的には癒されない。
それが明確になったのは、アイリッシュハープに専念できるようになってからです。
-アイリッシュハープで生まれたときの純粋な自分に戻ったことで、みつゆきさんの新たな人生が始まったのですね!
みつゆきさん:
楽器は本来、自分をととのえるためにつくられました。
アイリッシュハープもしかり、楽器という「物」として捉えるのではなく、ひとつの意識体として大事にされてきたと思うのです。
アイリッシュハープは、体に抱え込むようにして弾きます。
その体勢は、私たちがお母さんのおなかの中にいたときと同じ状態、羊水に浮かんだ状態なのですよ。
ハープの振動が自分に伝わり、自分のからだも微細に振動します。
おなかの中でお母さんの振動を受けるのと同じような状態ですね。
僕がそのような状態になって弾くので、聴いている人にもその振動が伝わり、胎内記憶に繋がる。
そしてそれが、縄文に繋がると感じています。
縄文時代の人は赤ちゃんの感覚のまま(本来の自分の姿のまま)大人になっていて、分け隔てがない。
きっと、おなかの中にいたときの感覚を持ったまま育ったのではないかなと。
僕はハープを通じて、その感覚を取り戻すことに繋げていきたいと思っています。
ハープの振動が自分に伝わり自分の体が微細に振動し、気持ちいい、と感じる。
自分が宇宙の中心であり、傷つけられることのない状態に戻るのですね。
-守られた状態になる、ということですね。
みつゆきさん:
そうですね。
皆さん、ハープを聴きながら涙を流されるのですが、おそらく、本来の自分に戻ったとき、本来の自分に気づいたときに涙があふれ出るのでしょうね。無意識的に。
安心して、信頼して生きていける世界
-みつゆきさんは、今後、アイリッシュハープを通じてどんな活動をしていかれるのでしょうか?
みつゆきさん:
繋がった人皆で、赤ちゃんのときの感覚、おなかの中にいるときの感覚、まだ凝り固まっていない状態になりたい。
人間のからだは月の振動と共振していると、何かで読んだことがあるのですが、月の振動の中継点になりたいです。
僕は子どものころから月を見ているのが好きで、ずっと月に見とれていました。
月を見るとなぜだか安心するんですよ。
この世界はすべてが振動していますので、月の振動にも生かされているからでしょうね。
日本にはお月見という文化があるくらい、月と人間は繋がりがあるのではないでしょうか。
縄文の時代は街灯もありませんし、満月のときなどはものすごく明るかっただろうなとか。
みんなで踊ったり薬草を採りに行ったりしたんだろうなとか、川の流れなど自然のゆらぎを楽しんだりとか。
月を見ながら、そんなことを想像しているときって、豊かな気分になりますよね。
縄文土器のことを研究していたとき、縄文土器の模様にはゆらぎがあると知りました。
川の流れをすごくゆっくり再生させたときのゆらぎがはいっているそうです。
きっと、縄文時代の人たちは完全に自分がまっさらな空の状態になって、ただ川を眺めていたんでしょうね。
-本当ですね。その頃はスマホもテレビもありませんから、いらない邪念に惑わされることもなく、自然の中で自分に戻れたんでしょうね。そのとき、宇宙とひとつになっていたのですね、きっと。
みつゆきさん:
そうですよね。
縄文のころの感覚は私たちのDNAに残っていますから、そこに繋がると安心するのではないでしょうか。
アイリッシュハープ奏者 みつゆきさん ~profile~
オリジナル曲を中心に活動するアイリッシュハープ奏者の第一人者。 その独自の感性でつむぎだされたメロディーは、素朴でかつ繊細。 聴く人の心の奥深くに染み入り、どこかなつかしい気持ちにさせて くれる。胎教音楽やリラクゼーションの音楽としても愛されており、 ホームコンサート、保育園や学校、病院、介護施設、ギャラリー、 能楽堂、寺院、経営者の交流会など、その演奏活動範囲は多岐 に渡る。
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