【水・光・香・音】をコンセプトに、みんなを元気にする商品をつくる~篠原康幸さん~

未来創造コミュニティ

自然の恵みを大切に、天然由来成分だけでつくられた大人気の日焼け止め『オードヴィーブ・サンスクリーン』。年代を問わず、多くの女性にご支持をいただいているロングセラー商品です。

開発されたのは、薬剤師でもいらっしゃる篠原康幸(しのはらやすゆき)さん。大学の薬学部で研究を重ねたのち、さらに見えない領域・宇宙の真理を求めて、世界中を巡る旅に出られました。
そうして、さまざまなことを学ぶ経験をされた後、1999年に有限会社エッセンチアを設立。

【水・光・香・音】をコンセプトに、最先端の科学技術を用いて植物の叡智を取り入れた商品を生み出し続けておられる篠原さんの、いのちの根源にある「未来へと繋ぐ想い」をお届けいたします。

有限会社エッセンチア
代表取締役 篠原康幸さん


物事の本質は光だった

-薬剤師であり調香師であり、会社の経営者でもいらっしゃる篠原さん。今に至る経緯をお聞かせいただけますか。

篠原さん:私は、千葉県の海と山に囲まれた田舎街で育ちました。
子どもの頃から、意識せずとも自然の中で遊んでいましたね。
当時は、植物が好きだとか、将来は植物について学びたいなどという考えはなく、大学は薬学部に進みました。

-なぜ薬学部へ?

篠原さん:薬に興味があり、皆が元気になる薬をつくりたいという想いがあったんです。

薬学部では「有機化学」という分野を専攻し、洋服や石油、食べ物、身体などの材料について学びました。
最先端の科学を学び、「将来はこの技術から薬をつくって病を癒し、世の中を変えよう!」と懸命に勉強したのですが、薬には副作用もあり根本の解決にはならないのではないかと思い、一度この道を諦めたんですよ。

-そうだったのですね。その後、どうされたのですか?

篠原さん:大学卒業後は、国内のみならずインド、ネパールなどいろんな場所に行き、見えない世界や宇宙の真理について学びました。お寺にも入りましたし、10年ほどの間、さまざまなことを経験してきました。

そんな中、北海道の山中でテントを張って焚き火をしていた時のことです。

誰もいない暗闇の中で燃え上がる炎を見ていると「この光はどこからきて」「何からできているのだろう」という想いが浮かび――その光は「太陽の光」だということに気づいたのです。

この時はじめて「有機」とは「光」なのだと理解できました。
大学で懸命に勉強しながらも、可能性が見えずに諦めた有機化学という分野が、じつは「光の科学」だったと分かり、涙が溢れました。

物質の本質は「光」だとわかり、出口の見えない長いトンネルを抜け出した気がしましたね。
それで社会復帰し、有限会社 エッセンチアを設立したのです。

エッセンチアはラテン語のEssentiaに由来し、「本質・生命・光」という意味があります。
【水・光・香・音】をテーマとして、皆が元気になれる場所づくりをしています。

-薬剤師さんが、薬ではなく【水・光・香・音】で皆を元気にするというのが斬新であり、未来への希望にも感じました。

篠原さん:いま、水と光の研究をしているのですが、水に光を当てると、水の構造がどんどん変化していくんです。
ということは、体に光を当てると体の水の構造も変わりますよね。
将来的には、光で体を癒し、健康を創造する時代になるのではないでしょうか。

-可能性は無限大!まさに、希望の光ですね。早くそんな時代が来てほしいです!

植物の叡智

-篠原さんの商品たちはどれも植物由来のものばかりで、使い心地が軽くナチュラルな感じがすると同時に、“何かが違う”と感じます。植物をどんな風に捉えておられるのでしょうか。

篠原さん:植物は、数億年前に動かないことを選び、生きるエネルギーを太陽光から手にいれることにしました。

植物は光と空気から形と酸素をつくり出し、再び光と空気に戻ります。そのプロセスには、一切の無駄がなくゴミも出しません。
最小限のエネルギーで、その環境に必要なものをすべて自前で用意します。

また、植物は生き残るためにさまざまな工夫をしているんですよ。
昆虫や草食動物に必要以上に食べられないように形態を変えたり、動物が食べて美味しくない苦みや渋み成分をつくり出したり。
温暖差の激しい場所や季節など、置かれた環境に適応して生きるために、自ら必要なものをつくったりするんです。

-おもしろいです!!これまで、植物の一生を考えたことはありませんでした。
植物にも生きる意志がちゃんとあり、動かないことも自分で選び、動けないからこそのさまざまな知恵、機能が生まれたのですね。
少し違う視点で植物のことを捉えておられる篠原さんのお話には、新たな発見がたくさんあります。

篠原さん:大学では、化学的なことばかり勉強していましたし、薬を追求していくと、薬ができることの範囲や限界が見えてきますから。自然の中からいろいろ見つけてくるようになり、今に至っています。

光と空気から形と酸素をつくり出し、再び光と空気に戻る植物たち。いのちの循環を感じます☆

-そんな背景があって着目されたのが、植物が持つ「植物細胞水」「香り」なのですね。
植物細胞水は、一般には耳なじみのない言葉ですが、どういう水なのでしょうか。

植物細胞水

篠原さん:植物細胞水とは、植物中にある水のみを抽出したもので、無味透明の液体です。
特殊な技術を用いて水を加えずに蒸留するため、香りの変質や酸化などが少ないのが特長です。
また、植物の種類や抽出する部位 (花・葉・樹皮・根) によって、水の特性や香りが異なります。

-「植物細胞水」には、どのような特徴があるのでしょうか。

篠原さん:植物ごとに特徴が違い、植物の数だけ水の種類があります。
同じ植物でも、部位(花・葉・根)によって特徴は異なるんですよ。
また、植物細胞水は植物固有の香りを含んでいます。

この水の理解を深めるため、「表面張力」などさまざまなデータをもとに研究を進めているのですが、大きな特徴として、植物細胞水は表面張力の値が低く、浸透しやすいという点があります。
スーっと体になじみやすい水です。

-植物細胞水は体になじみやすい……ということは、細部まで行き届き、植物の持つパワーを全身で取り入れることができますね。

篠原さん:はい。私たちの体の60~70%は水分で構成されていますので、美と健康の維持には、水の構造や特性が大きく関わっていると思われます。
そのため、質の良い水を取り入れることが大切です。植物細胞水やミネラルはとても適していると思いますよ。

香りは情報

-篠原さんは精油の研究もされていますよね。

篠原さん:植物がつくる香りを精油といいますが、精油はとてもおもしろいですよ。

植物は、香りを使って周りの動植物と情報交換をします。
自分のしてほしいことを相手にしてもらうために、まず先に相手が大好きなものを与えるんです。

たとえば、花は香り(情報)を出し、ミツバチはその香りにつられて蜜に集まります。
そして花は、ミツバチが大好きな蜜を供給する代わりに、花粉を運んでもらい子孫を残します。

-すごい!おもしろいです。
花はただ咲いているだけではなく、香り(情報)で呼び寄せて蜜を与え、自分の願いを叶えているんですね。

篠原さん:植物の香りは本当に神秘的です。
植物がつくる成分の中でも活性が高く、たくさんの機能を持っています。

香りは気体ですので個体や液体よりエネルギーが高い。そんな、エネルギーの高い植物の香り成分を集めたものが精油です。
「精」とは「天」を意味し、植物の本質とか生命といわれるんですよ。

-香りは情報であり、精油は植物の本質、いのち。
『オードヴィーブ・サンスクリーン』をはじめ、篠原さんの開発商品をたくさんの方が求められ、喜んでいただいていますが、皆さん、自然と「いのちの本質」を捉えておられるんだなと感じました。

畑に咲くハナマスの花。これまで調べた植物の中で、表面張力が一番低い数値だったそうです。

すべてのいのちを循環させる農業

-篠原さんは、植物をご自身で育て、商品の原材料として使っておられるとうかがいました。

篠原さん:はい。原材料を作るために、14年程前に、約三千坪の畑を借りて農業を始めました。
そして、10年前に農業法人と約一万坪の農地と森林を取得して、そこに日本の在来種のバラであるハマナスや様々な種類の薬用植物を植え始めました。

現在、自然栽培により育てた植物や森林から得られる植物の両方から有効成分を抽出し、商品作りをしています。
ここでは、成分を抽出した後の草花たちや畑の雑草は捨てずに肥料として畑に還す、自然循環型の農業をしています。

-素敵です!畑で、すべての植物のいのちが循環しているんですね。

篠原さん:植物を自分の手で育てることで植物への理解を深めることができますし、安全な原料を確保することもできます。

また、自社で一貫して、農場で育てた植物を加工することで、ロスを格段に減らすことが可能となりました。

もともと無駄が嫌いということもあり、どの部分も無駄にせず、丸ごとすべて使いきります。
通常だと捨てられる残りカスのようなものも畑に還すことで、次の作物の肥料になりますから。

育てた植物たちを畑に隣接したラボで加工。商品として新たないのちが吹き込みまれます。

-無駄が嫌い、あらゆるものを大切にする、という想いが軸となり、さまざまな商品を生み出しておられることが伝わってきて、心があたたかくなりました。
漢方薬、香水や精油、ハーブティなど、どれも植物由来のものばかりで、使うと植物のパワーを感じるのは、篠原さんの植物との関わり方にあったのですね。

篠原さん:植物のエネルギーは本当にすごいです。植物から学ぶことはたくさんあります。

森に囲まれた自社農場。四季を通じてさまざまな植物が育ちます。

7月初旬 夏最盛期のハマナス畑

10月下旬 冬支度の終わったハマナス畑

日本の自立が世界の平和に繋がる

篠原さん:この農園は、植物から原料をつくるためだけではなく、自然の摂理や叡智を学ぶ場所でもありたいと思っています。
さらには、社会的自立のモデルとなるコミュニティづくりもしていきたいです。
農園内に農業倉庫や宿泊部屋も建てましたので、ここで生活もできますよ(笑)。

これからは、皆各々が、会社が、さらに地域の自立が重要だと考えています。
物質的な自立《水・食べ物・エネルギーの自活》と、精神的な自立《すべては自分の責任であり人のせいにしないという心構え》、この2つの自立で生きていくと、世界は変わるのではないでしょうか。

-農場で植物の叡智を肌で感じ、自然、そしていのちの循環を目で見て心で感じてみたいです。森のように広い畑を散歩したり、野菜を収穫したり、植物たちの香りを嗅いで違いを楽しんだり……想像したらワクワクしてきますね♪

学校をつくりたい

篠原さん:農業を通じて学んだこと、体験したことを、次世代へと引き継いでいけたらいいなと思っています。今後は学校をつくりたいですね。

まずは小さな寺子屋から始め、子どもや学生たちと水と光の研究をしていきたいです。
いま、学校に行かない子どもが増えていますよね。そういう子どもたちに教えてほしい、という話もあるんですよ。

-篠原さんがされていることを未来へと繋いでいかれるのですね。
実際に現地で自然を体験すると、生きる希望が湧き出てきそうです。学校では何を学びますか?

篠原さん:いまの教育や学校に馴染めない子どもたちに、まずはなんでもいいから興味を持ってもらいたいですね。
基本は、自然から何かをつくるとか、水と光の神秘を解明していくとか。いのちの根源にあることを主軸にやっていけたらと思っています。

日本中にいろんな学校、さまざまなコミュニティができるとおもしろいですよね。
誰かがやるのを待つだけではなく、皆がそれぞれ自分のできる範囲で行動することが、日本の自立に繋がるのではないでしょうか。

そうして、今後、日本の各地でこうしたコミュニティの場を広げていくことが、個人の自立、地域の自立、日本の自立に繋がり、日本が自立すると世界が平和になると思います。

-まさに、いま、この瞬間に、未来をつくっておられるんだな、と痛感しています。
篠原さんの未来創造のビジョンにワクワクしましたし、だからエッセンチアさまの商品はたくさんの方に愛されるんだなと思いました。
これからのさらなるご活躍と、今後、たくさんの素晴らしい商品と出合えますことを楽しみにしています。
貴重なお話を、本当にありがとうございました!

<written by 美習慣パートナーyoko(2024.2)>

篠原さんの「植物や自然の世界観」を一冊の本にまとめた『日常は行く』。今回のお話がもっと詳しく書かれています。「振動と波動」や「エネルギー」のお話など盛りだくさんの内容。自然とともに生きることの大切さ、そして希望が湧いてきます。オススメです♪ こちらから”>>

篠原さんの未来創造ビジョンにワクワクすると同時に、生き方、在り方に縄文意識との共通点を感じました。縄文をテーマにしたお話も、今後お伝えしていきます。お楽しみにお待ちください♪

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↓↓篠原さんご著書『日常は行く』(バンクシアブックス)では、さらに詳しく「光」「空気」「水」「土」「植物」「香り」について書かれています。

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