新たな時代となる「愛と調和の社会=弥栄の世」実現に向けて、健康・経済・孤独問題をクリアしながら心がワクワクする「ライフワーク=志事」で地域を活性化していこうと始まったバンクシア未来創造コミュニティ。一人ひとりがその一歩を踏み出し継続するとき、自分らしさを大切にしながら、しなやかに、そして楽しく歩みを進めていくためのヒントを伺いました。
なぜいま、コミュニティが必要なのか?
近藤太郎(以下、近藤):これまでバンクシアフィットネスに参加された1000名以上の方々と共に、日本各地でサークル活動的なコミュニティを創っていこうと思っています。
そこで、「なぜ今、コミュニティが必要なのか」を中心に、お二方のお話を聞かせていただけますか?
吉川竜実先生(以下、吉川先生):コミュニティ社会の到来については、ほとんどの日本人が気づいていない段階でトータルヘルスデザイン創業者のジミー(近藤洋一)さんが提唱されていましたね。
そこには2つの流れがあり、ひとつはジミーさんの盟友・舩井幸雄先生の船井総研を中心とする、東京・大阪・九州といった都市の企業を主体にしたもの。
もうひとつが御社の、地域それぞれの個性や土地のエネルギーを大切にして取り組まれてきた地方再生。
これから、その実現に向けて先陣を切っていくのが素晴らしいと思います。
そこで、頭の知恵だけではなく、体を動かすということが非常に大切です。
2024年のThd伊勢ツアーでは、プログラムの最初にバンクシアフィットネスで体をゆるませて「気」の通りをよくしたことで、私の講演で皆さんがスッと入りやすかったように感じました。
やはり、余分な力を抜いて身心を整えると想いが伝わるのも早いですね。
芳野むじんとコーチ(以下、芳野コーチ):ありがとうございます。今、コミュニティを取り巻く社会環境はあまりにも行き過ぎていますね。
そもそも世界が今のような状態に突き進んだのは、吉川さんがおっしゃる「縄文意識=和の精神」が抜け落ちているからだと思うのです。
本来の調和というのはレベルの大小に関わらず、良いも悪いも両極が集まると力(気)が発生して、光り輝く。
そういうものが、日本では自然発生的にずっと続いてきたんだと思います。
たとえば土地のエネルギーといえば、富士山という自然界の山にも聖地としての「意識」があります。
その代表的なものが伊勢神宮であり、出雲大社であり、全国にたくさんある神社。
その集合体が日本ですから、まさにコミュニティは田舎から出発するのではないかと思っています。
吉川先生:まずは小さなコミュニティを見直して、みんなに元気になってほしいですよね。最悪に見えても、「すべては必要、必然、最善」(※)で、いいところに向かっていると言えると思うのです。
ですから、「地方のコミュニティをどんどん作っていきましょう」という取り組みは大切だと思います。
※船井幸雄著『すべては「必要、必然、最善」』ビジネス社
芳野コーチ:いいですね。コミュニティのカギは「互助の精神」です。互助の精神でお互いが循環し合うと、一人ひとりが輝きます。
そのためには、まずは自分自身が元気になる。バンクシアフィットネスでは呼吸・気をととのえる体操等を通じて、体じゅうに元気をみなぎらせます。
元気で健康な体なら農業でも何でもできますので「与え与えられ助け合う」という関係になり、コミュニティがうまく循環すると思うのです。
吉川先生:それぞれが自分の得意なものを出し合って、苦手なことは得意な人に頼んだ方が補完し合ってうまくいくんですよ。それで経済的なものもまわっていくでしょう。
昔、夏休みに近所の人たちが集まってラジオ体操をしたように、それをバンクシアフィットネスでやれば気がめぐって清々しくなって、「私は勉強が得意だから教えるよ」「それなら僕は野球を教える」というようにイメージができます。

芳野むじんとさん(写真左)と、吉川竜実さん(写真右)
まず「気」を満たして自分を元気にする
近藤:今の閉塞的な社会問題として、3K(経済=お金、健康、孤独)があります。その解決をこのコミュニティ活動で打ち出しています。そのあたりの見解を教えていただけますか?
芳野コーチ:世の中が1%の支配層(黒)と99%の人々(白)に二極化しているとして、いま、黒が強くなり過ぎているから、白の人は3Kに陥っていくわけですよね。
ただ、言えることは、どういう状況であれ自分自身をしっかり見つめ、内側をととのえ、どのように力を出すか。黒くなったものを白くしていくのは、他人ではなくて自分自身にしかできないのです。
それをやっていかないと、お互いにキレイゴトに終わってしまうので、自分自身をどれだけ見つめて、自分の自然治癒力をどれだけ成長させて溢れ出させるか。ここが、スタートしていくときの一番のポイントだと捉えています。
吉川先生:おっしゃる通りだと思います。
変えるのは自分自身なので、社会全体を変えようとは思っていないんですよ。
まずは自分が自主性を持って独立していることが大事で、自分が活気に満ち溢れているからこそ、人に与えることができますから。
芳野コーチ:ますます親近感が増しました。
近藤:まずは体からととのえることで心もととのっていく、そうすると目の前の現実もおのずと変わってくる――修了生さんからはそんなお声をたくさんいただいています。
吉川先生:人には精神と物質の両方がありますので、やはり肉体という物質を伴うことで、魂の成長が早いはずなんですよね。いわゆる魂の入れ物である体のことをケアして、魂がより輝けるように、また活動しやすいようにする。これは本当に大切なことで、頭から入ったらダメなんです。
芳野コーチ:いい学校に入るために何をどれだけ覚えたかで偏差値が決まるような中で、一生懸命記憶することが能力のすべてのような教育でしたからね、私自身も含めて。
でも知識はあくまでも土台であって、そこから体験して築きあげていくことの方が大事なように感じます。
たとえば、バンクシアフィットネスの中で「○○をお伝えしますね」と言うと「知ってる、知ってる」と、皆さんいろんなことを知っているんです。スピリチュアル系のあちこちを渡り歩いていますからね。
ところが知っているのと身につけたのとでは雲泥の差です。
吉川先生:どっぷり浸かったからこそ「”気”というものが一生、自由自在に使えるようになった」となる。そこに到達する前にやり方だけ知ったところで「私にはやっぱり変化がなかった」と終わってしまうかは、自分の選択次第ですからね。
近藤:「知っている」という段階のまま実践が伴っていないと、ずっと「何が正解なんだろう?」と探し続けることになりますからね……。
芳野コーチ:まさにそうで、そうすると出てくる言葉に不満が増えてくるんですよ。あれもダメ。これもダメ。それは向かない。私がダメなの?と今度は逆のスイッチを入れてしまう。
「やりたいことがわからない」ときは?
近藤:よく「楽しむことを大切にする」「やりたいことを優先する」というようなことを言われる方もたくさんおられる中で、「そもそも、楽しいことがわからない」という方もいらっしゃいます。
あるいは、「これはやりたくないな」「そっちには行きたくないな」と表面的には思っても、心の底の方では「多分本当はやりたいことなんじゃないかな?」と感じることもあります。
こういう場合は、どのように捉えたらいいでしょうか?
吉川先生:結局、安全な道を選ぼうとして自分に制限をかけてしまうんですよ。
自分がやりたいこと、「これをやっていて幸せだな」というものは、諦めてしまったらそれで終わります。
そのロックを外して飛び込むか飛び込まないかの勇気だけで、そこが分かれ道だと思います。
芳野コーチ:今年から、マスターコースまで習得した「教える立場の人」を対象に、初めての人にも簡単に教えられることを身につける半日のコースを開始しました。
そこで、太郎社長がおっしゃった「何が好きなのかも、能力があるのかもわからない」と閉じているスイッチをどう切り替えればいいのか?を想定した「ハートチャクラ呼吸」というものを行ったのです。
そのとき「間を置くことと、止めることは違うよ」と説明したんですね。
つまり息を最後にスーッと吐く。スーッと吐いている状態のところが「間」なんで、ここに意識を向ける。
「気」というのは、意識を向けたところに集まってきて、エネルギーが高くなるんですよ。
この、息を止める前の「間」の状態のとき、呼吸に意識を向けると「気」が変わります。
このハートチャクラ呼吸を少し繰り返すだけで、勝手に瞑想状態に入ってしまいます。
近藤:忙しい現代社会では、「気」に意識を向けたり感じたりしたこともない人がほとんどですから、まずは体をととのえて体の感覚を開くことで体じゅうに気がめぐり、まわりで気の合うの人たちともつながりやすくなると思っています。
吉川先生も武道(居合)で身心の鍛錬、調整をされていますが、そのあたりはいかがですか?
吉川先生:バンクシアフィットネスでもそうですけど、結局スローな動きが重要なんですよ。
スピード社会だから、逆にスローなことをやっていく。
地方の村社会や自治区やコミュニティというのは、時間がゆっくりと流れていくスローな社会ですよね。それを象徴しているように思います。
芳野コーチ:「スロー」の第一歩であり、中核にあるのは呼吸でしょうね。本当に呼吸だけをしっかりやればいいくらいに大切です。呼吸がスローな人は落ち着いていて安定しています。呼吸が速い人は慌てていて、地に足がついていません。
スローで軽い静かなゆっくりとした呼吸を繰り返すと、不安、心配、恐怖心が遠ざかっていくんですよ。
自分との関係で響き合うものをやっていってそれがある程度の数になってくると、さらに響き合って、白も黒もない日本の一番いいところでグレーゾーンが広がるんですね。
白黒はっきりしたところより、このグレーゾーンこそエネルギーに溢れていますから。
吉川先生:白と黒の対立ではない、というのは縄文の「2つで1つ」という思想から続いているんですよ。
結局、世界を支配しようという人たちの根本にあるのは、何もしなかったら滅ぼされるんじゃないかという恐れと不安なんです。
神々が進化するために押したDNAのスイッチはおそらくそれでしょうね。そのようにみれば、最終的に白黒の一番拮抗しているエネルギーのところに行くわけですから、彼らも必要、必然、最善の存在であったと言えるのではないでしょうか。
それは、世の中とか自分以外の他者を変えるのではなくて、自分から変わることで、周りが共感共鳴して、不必要なものは切れていくというような考え方でしょうね。
「気」の通りをよくして、意識でスイッチを入れよう
近藤:自分らしくイキイキして生きるための方法があるのかについて、吉川先生に伺いたいのですがいかがですか?
吉川先生:特に平成が終わるまでは、スピリチュアルでも経済の経営本でも「こうすれば成功するよ」「こうすれば幸せになるよ」というハウツー(How to)が求められましたが、令和に入ったら時代のスピードが早いのと、エネルギーが入り乱れているので、そういうセオリーでは乗り切っていけなくなるんです。
舩井先生が晩年によく、「どんなにすごい運命学者でもどんどん外れてくる」とおっしゃっていましたね。
だからこそバンクシアフィットネスで体をゼロにして、インスピレーションを受けて行動していく時代だと思うのです。
まず「こういう素晴らしいコミュニティがありますよ」というモデルをつくり、それを見た人がやるか、やらないかだけの話なんです。
あるいは「こういった商品がいいですよ」とバーンと打ちだして、その評価はあなた方がしてください、という時代になると思います。
近藤:まずはゼロになるのがバンクシアフィットネスですが、たとえば朝早く起きて深呼吸や正座をするとか、先生の中で体を整える手法があったらぜひとも教えていただきたいです。
吉川先生:私は習慣で、神棚の水替えとお参りは必ずしていますし、ホ・オポノポノ(※)も神棚に向かってしています。それから職業柄、潔斎(けっさい)という水浴びをしています。
時間がないときは手足潔斎と口をゆすいで顔面も洗いますけど、そういうゼロに戻る方法ですね。
先ほど意識の話が出ましたが、顔を洗わない日本人はいないと思うので、そのとき「これは禊(みそぎ)で、全身に浴びてるんだな」と思えばいいんです。
お風呂に入らない民族だとそうはならなくても、日本人はひとっ風呂浴びたら爽快な気持ちになりますよね?
そこに意識を持っていって、「今日は体を洗って変なものを全部取ってゼロになったな」とイメージしたらそうなるし、意識のスイッチを入れるだけなんですね。
※ハワイ伝統のヒーリングメソッド、ホ・オポノポノについて、詳しくはこちらをご覧くださいませ>>
芳野コーチ:そういえば、吉川先生の北斎の話に触発されて、大好きな上村松園(うえむらしょうえん)の美人画を改めてじーっと眺めていましたら、肩の力が抜けた立ち姿の中心軸からパーッときれいな曲線に沿って帯をギュッと締めているので、仙骨が立って自然とでっちりになるんです。
その絵の通りに体を動かしてみたら、気が入ってきてハートが開くんですよ。
シャーッと邪気が抜けて体が軽くなってね。だから美人画は美しいんだ!と。確かにもう見事やなと思って。
吉川先生:北斎の絵を見ると、まさに無意識でその境地に入る。だから日本だけでなく世界でも愛されているんでしょうね。
北斎自身は無意識で黄金分割や黄金矩形や、一番充実したスタイルを描いているんでしょうけど、それを見るだけで自然とその境地になってしまう。
北斎の絵を見て感じることで、ハートが開く、ブロックが外れて共感共鳴して自然と一体化できるから、皆さんにもそうなってもらいたくて「縄文意識覚醒アート」としてお伝えしているんです。
芳野コーチ:そこです!
吉川先生:芳野さんは、常にそういう視点で見ているから、絵や美術をパッと見ただけでその意識がバーンと入ってくるんです。
そのように体と精神を整えてベースをつくると、アートでも自然界のサインでも気づきやすくなる。そういうものが必要で、僕の場合は武道だけど、バンクシアフィットネスはデスクに座っていながらでもできますからね。
芳野コーチ:ところで、伊勢神宮の内宮でいつも感じることがあります。
宇治橋を渡って右手をずっと歩いて行った手水舎の手前の鳥居のところで、一歩入ると全然エネルギーが違うんです。
吉川先生:そうですよ。あそこが本当の伊勢神宮の玄関口ですから。
昔、サムライが正式参拝していたときは、あそこで剣も槍も全部取って置いていかなきゃいけなかった。そういうところです。
芳野コーチ:やはりそうでしたか!
鳥居の下に立って、向こう側へ行ったり来たりしても明らかに違うんです。
あのエネルギーの変化が好きで、一礼して入ってみて分かるんですよ。そういう違いというのは、体がわかるわけですからね。
その感覚を引き出すだけなので、そういう意味でこれからはバンクシアフィットネスでも伊勢神宮に行く回数を増やさないといけないですね。
吉川先生:お参りは1回よりも2回、2回よりも3回がいいと言われてますから、ぜひそうなさってください。
近藤:本日は貴重なお話をありがとうございます。吉川先生、芳野さんのメッセージをThdコミュニティでも発信していきたいと思っています。
(文責:高木みのり)

芳野 むじんとさん TY(とってもよいもの)ネットワーク倶楽部 主宰
外食産業の経営者として関西の店舗をマネジメントしている頃より、「気」の世界を探求。経営指導の神様と名高い舩井幸雄さんはじめ、国内外の「気」の師匠から学び、ついに独自でヒーリング技術を伝授できるカリキュラムを完成させる。現在まで1000人以上に「気」の本質、メカニズム、活用法を指導し、バンクシアフィットネスのアドバンスコースでは、例外なく参加者全員が「気」を扱うことに成功している。「人間とは何か」「自分とは何か」「体・心・魂と宇宙の関わり」の探究者。

吉川竜実(よしかわたつみ)さん
神宮参事・博士(文学)。皇學館大学大学院博士前期課程修了後、平成元(1989)年、伊勢神宮に奉職。平成2(1990)年、即位礼および大嘗祭後の天皇(現上皇)陛下神宮御親謁の儀、平成5(1993)年第61回式年遷宮、平成25(2013)年第62回式年遷宮、平成31(2019)年、御退位につき天皇(現上皇)陛下神宮御親謁の儀、令和元(2019)年、即位礼及び大嘗祭後の天皇(今上)陛下神宮御親謁の儀に奉仕。神宮禰宜を経て現職。平成11(1999)年第1回・平成28(2016)年第3回神宮大宮司学術奨励賞、平成29(2017)年、神道文化賞受賞。著書に「千古の流れ」(弘文堂)、「神道ことはじめ―調和と秩序のコスモロジー」「神道の源流―縄文からのメッセージ」(ともにバンクシアブックス)、『いちばん大事な生き方は、伊勢神宮が教えてくれる』(サンマーク出版)がある。

近藤 太郎 株式会社 Total health design 代表取締役
元アマチュアボクシング日本代表。選手時代に「気」の重要性を実感し、レイキ(霊術)をマスター。独自にイメージトレーニングやセルフコントロールを研究し、実践で活用。引退後は指導者として、プロボクシングジム代表、近畿大学ボクシング部コーチを歴任。ロンドン五輪ボクシング金メダリスト&プロ世界チャンピオン村田諒太後援会の会長。バンクシアフィットネス(BF)では、創業時より身体の構造を調えるという立場から指導者として参画。現在は、トップアスリートやスポーツ界から流れてくる最新の情報を吟味し、BFで活用できるようコーディネートして参加者に伝えている。
友達の輪が広がる!気をマスターできる!バンクシアフィットネス
バンクシアフィットネスは、本来の自分に気づき、本来の自分を生きることを目的とする「体と心と宇宙を結ぶフィットネス」です。
「体と心と宇宙を結ぶ」をテーマに、古来、日本人が大切にしてきた体の使い方や、心の平安を手に入れるためのエクササイズをお伝えしています。
まず姿勢を調え、“気”を自ら湧き出させることで、“気”の流れる体にします。東洋の叡智と西洋の科学を融合させた、体と心が喜ぶフィットネスをぜひご体感ください。